「単分子膜の特性を活用」
本日の化学実験Bクラスでは単分子膜を使った方法でアボガドロ数を求めました。実験方法の詳細は化学実験レポート-7をご覧ください。
約50名の1年生が取り組んだ実験の結果がこの写真です。自分の結果(作品)がわかるかな?
ここに各自2回ずつ取り組んだ実験結果、つまり100枚のステアリン酸の単分子膜を方眼紙に写し取ったもの、があります。1枚あたり、ステアリン酸(分子量284.5)ヘキサン溶液(0.015
g/L)を0.5 mL滴下したので、100回分まとめると、、、、、
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、、、、2.64×10^-6 molのステアリン酸が作った単分子膜になります。
では、ステアリン酸単分子膜の総面積は、、、
写真中の丸い部分の面積を足し合わせ、ステアリン酸1分子が水面で占める面積(2.2×10^-15 cm^2)で割ると、、(それぞれの実験データは異なりますが、概ねステアリン酸の単分子膜は35
cm^2であったと仮定します。)
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このように計算してみると、みなさんが作ったステアリン酸単分子膜には、2.64×10^-6 molのステアリン酸が含まれており、1分子の面積で割るとこの単分子膜の中にあるステアリン酸の分子数は1.6×10^18個だと分かります。
それでは、この二つの値からアボガドロ数を求めてみましょう。
ほら、なんとみなさんが一生懸命覚えたアボガドロ数(6.02×10^23)にかなり近似した値が観測できました。アボガドロ定数はイメージをするのが難しいと思いますが、前回と今回の実験で少し身近に感じることができたのではないでしょうか。このように身近に感じることができる様になったアボカドロ数、せっかくですから、その名前の由来となった化学者であり物理学者でもあるアメディオ?アボカドロやアボカドロの法則についても、さらに深く調べてみては、と思います。
出席していた学生からは「アボガドロ数を算出する方法で結晶だけでなく墨液を使って求めるというのが新鮮で面白かったです」「ヘキサンが蒸発していくのを観察して周りからだんだんと無くなっていくのを見て不思議に思った」といった感想を聞くことができました。