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所属:保健福祉学部保健福祉学科看護学コース 職位:教授 学位:博士(理学)
研究室:県立広島大学三原キャンパス3413号室
E-mail:ktaguchi@(@の後にを付けて送信ください)
研究内容:https://researchmap.jp/read0119554
研究室Web:
パーキンソン病脳内における神経変性メカニズムの解析を行っております。特に現在、当該分野で注目されている「病原性シード分子のプリオン様細胞間伝播」に着目し、病原性シードの産生メカニズムを明らかにすると共に、このプロセスの効率的な阻害による新規神経保護ストラテジーの構築を目指しています。
神経解剖学、病態神経科学
パーキンソン病脳内における神経変性メカニズムの解明、特に病原性シードを構成するαシヌクレインの翻訳後修飾がシード産生と変性領域の拡大プロセスに与える影響に着目しています。
現在のところ、パーキンソン病における神経変性過程を積極的に抑止することができる治療法は存在しません。近年、本研究において、初代培養神経細胞の疾患モデル系を用いた生化学解析により、病原性シードを構成するαシヌクレインに特徴的な翻訳後修飾(N末端領域における分子内切断)の存在を見出しました。この分子内切断は、脱SUMO化酵素SENP2によって直接生じること、更にSENP2阻害剤を側脳室内に持続投与することにより、神経変性領域の脳内拡大が有意に抑制できることが明らかとなりました(以下の論文1を参照)。今後はSENP2を標的とした病原性シードの産生とその細胞間伝播を阻害することによって、効果的な神経保護ストラテジーの構築を目指しています。
超高齢社会の現代日本において、医療従事者の存在、その重要性は年々増加しています。医療分野に身を置き、日々進歩する医学を学び、身に着けた知識と技術を活用したいと思われましたら、是非、本学保健福祉学部において、その希望を実現させてください。
本研究では、神経変性メカニズムを培養細胞系やin vivo疾患モデルを用いて解析しております。病原性シードの解析プロセスでは、シードを回収するために大容量マイクロ流路デバイスの開発を実施しました。パーキンソン病の神経保護ストラテジーのみならず、解析技術(マイクロ流路の利用や細胞が分泌する微量分子の解析)にご興味を持たれた企業のみなさま、研究機関のみなさま、ご連絡をお待ちしております。
神経変性疾患、パーキンソン病疾患モデル、プリオン様細胞間伝播、病原性シード、αシヌクレイン
参考文献(本研究に関連する発表論文)